2008 Fiscal Year Annual Research Report
p53制御分子Pirh2の新規ユビキチン化標的を介したがん化への寄与
Project/Area Number |
20012022
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
北川 恭子 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 助教 (20299605)
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Keywords | Pirh2 / タンパク分解 / p27 |
Research Abstract |
p53のユビキチンプロテアソームシステムによる分解の基質認識分子の一つとして同定されたPirh2は、細胞周期進行を負に制御するp27の分解にも携わっていることを、われわれは過去に報告した。Pirh2によるp27タンパク量の制御が果たしている役割を評価するため、まずPirh2をノックダウンした培養細胞を用いて細胞増殖スピードへの影響を調べた。その結果、複数のがん細胞株でPirh2の減少によってp27タンパク量の増と共に、細胞倍化時間が延長したことがわかった。臨床では多種の臓器由来の癌でp27タンパク量の有意な減少が報告されている。一方Pirh2発現量の変動の有無は、肺癌以外殆ど報告がない。そこで我々は肺癌以外の臨床癌においてもPirh2発現量の変動が癌の性状に影響を与えている可能性を検討することにした。まずPirh2抗体の組織免疫染色の特異性を評価する為に、Pirh2ノックダウン処理(+/-)後の細胞株でcell blockを作成して染色性の妥当性を確認した。次に外科的切除された口腔癌および同一患者の正常部を対象とした組織免疫染色により、癌化に伴うPirh2およびp27タンパクレベルの変動、さらに両者の変動の相関性を調べた。その結果、正常部ではPirh2発現はほとんど認められなかったのに対して癌部では有意に発現が亢進しており、一方p27の正常部と癌部間の発現パターンの変動傾向はPirh2と反対だった。また、Pirh2の発現レベルの亢進は予後に相関していたことがわかり、統計学的解析では独立予後因子として同定された。
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Research Products
(2 results)