2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20012024
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
舛本 寛 Kazusa DNA Research Institute, ヒトゲノム研究部, 室長 (70229384)
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Keywords | 分配異常 / ヒト人工染色体 / セントロメア |
Research Abstract |
染色体基本機能の制御の乱れは細胞死や異常増殖を引き起こし、がんや疾病の原因となる。染色体分配機能に関わるセントロメアの形成、機能の異常は染色体の異数性へ直結し、主要がん発生原因一つであると考えられている。本研究ではヒト人工染色体をモデルとしてヒト及びマウスのセントロメア構造形成機構とその乱れが引き起こす染色体分配異常発生のメカニズムの解析を進めた。(1)セントロメア構造形成の分子機構の解析 : ヒトおよびマウスセントロメア構造形成の分子機構について解析するため, セントロメア・キネトコア機能マーカータンパクCENP-A, -C, の集合を検出できるtransient ChIP assayを開発し、セントロメア形成に必須な配列、CENP-Bタンパク質のセントロメア形成とヘテロクロマチン構造形成過程への関わりを明らかにした。(2)クロマチン構造変換機構とセントロメア機能異常の解析 : tet0配列を挿入したアルフォイドDNAからなる人工染色体に各種ヒストン修飾酵素とtetRとの融合タンパクを結合させ、セントロメア・キネトコア機能とエピジェネティックなクロマチン構造の変換がもたらす染色体分配異常発生のメカニズムとの関連性について解析した。ヘテロクロマチンの維持に関わるヒストンメチル化酵素、ヒストンアセチル化酵素などとのtetR融合蛋白を作成しtet0配列に結合させた場合に、セントロメアの構造形成がエピゲネティックに変換され、セントロメア機能もダイナミックに変換を受け、染色体分配異常が生じることを明らかにした(Nakano et al, 2008)。この結果は、エピジェネティックなクロマチン構造変換がセントロメアで一旦引き起されると、染色体分配異常に直結することを示唆している。
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Research Products
(8 results)