2008 Fiscal Year Annual Research Report
CHD2クロマチンリモデリング因子変異による無秩序遺伝子発現機構の解明
Project/Area Number |
20012041
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大川 恭行 Kyushu University, 医学研究院, 特任准教授 (80448430)
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Keywords | がん / クロマチン / クロマチンリモデリング因子 / SWI / SNF / エピジェネティクス |
Research Abstract |
ATP依存的クロマチンリモデリング因子SWI/SNF familyは、ATP依存的にクロマチン構造を変換することによって遺伝子の転写を制御している。現在までに、骨格筋分化において、クロマチン構造変換よりも前段階で骨格筋分化に関わる遺伝子群が統合的に制御されるメカニズムがあることが示されている。CHD2は、SWI/SNF familyのひとつと予測されているが、その機能はまだ明らかとなっていない。我々は、Chd2遺伝子変異マウスを作製し、このマウスが個々の組織において秩序だった遺伝子発現パターンが消失し高頻度に発がんすることを見出している。そこで、chd2遺伝子が骨格筋分化における高次遺伝子制御に関わっているかについて検討した。新たに作出したCHD2 mAbを用いたクロマチン免疫沈降法によって、CHD2は骨格筋の分化マーカー遺伝子のプロモーター領域に遺伝子発現よりも前の段階でリクルートされていた。さらに、CHD2の機能阻害を行ったところ、骨格筋への分化が抑制された。CHD2は、骨格筋分化制御にとって必須であり、その破綻ががん化に関わっていることが示唆されている。詳細な分子メカニズムについて引き続き解析が求められる。
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