2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20012042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 隆志 Keio University, 医学部, 准教授 (30380520)
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Keywords | SOCS1 / 炎症 / 発がん / TRAF6 / シグナル伝達 / インターフェロン / Th1 |
Research Abstract |
本研究はSOCS1やTRAF6コンデショナルノックアウト(cKO)マウスを用いて、自然免疫細胞とT細胞の炎症性発がんにおける意義を解明すること、また新規に同定したTRAF6制御因子の炎症性発がんにおける機能を解明することを目的とする。まずmyeloid系特異的SOCSI cKOマウスの解析を行った。その結果SOCS1欠損マウスは突然変異誘発剤と腸炎誘導剤の組み合わせ(AOM-DSS)による炎症性大腸発がんに抵抗性であり、腫瘍数の減少を認めた。またB16メラノーマ細胞の移植の系においてもSOCS1-cKOマウスでは腫瘍体積の減少および生存率の増加を認めた。この作用はIFNγ欠損背景ではみられないことからおそらくSOCS1欠損マクロファージや樹状細胞がヘルパーT細胞をTh1型に誘導しCTLを活性化するものと考えられた。またマクロファージ自身もNO産生が増加しており腫瘍障害活性の亢進も認められた。次にTRAF6の負の制御因子であるFLN29の欠損マウスの作製を行った。マウスではFLN29を欠損したことによる明らかな形態的異常は認められなかった。TLRシグナルにおけるFLN29の生理的な役割を明らかにするためにFLN29欠損マウスの骨髄細胞より分化誘導して得た樹状細胞(BMDC)をリポ多糖LPSで刺激して炎症性サイトカインの産生を野生型と比較したところ、ELISA、RT-PCRにおいてTNF、IL-6の産生の上昇が若干みられた。またウイルス感染に対する抵抗性が増加していた.
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Research Products
(6 results)