2008 Fiscal Year Annual Research Report
染色体分配の異常と発がん:細胞分裂におけるダイニン、微小管の制御機構の解明。
Project/Area Number |
20012046
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広常 真治 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 教授 (80337526)
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Keywords | 細胞骨格 / 染色体分離 / 細胞周期 / 発がん |
Research Abstract |
1 LIS1による細胞質ダイニンの制御機構の解明。 我々は精製タンパク質を用いてLIS1、Ndel1存在下で細胞質ダイニンの活性測定を行った。その結果、LIS1は細胞質ダイニンの抑制因子であり、Ndel1はその抑制を解除する働きがあることが分かった。さらにこのLIS1、Ndel1の機能は細胞質ダイニンが微小管のプラス端に運ばれるリサイクルの機構に密接に結びついていることが分かってきた。これらのことからLIS1、Ndel1は細胞質ダイニンのリサイクルに必須の因子であることが分かった。特に、LIS1は微小管上に細胞質ダイニンを固定し、微小管-LIS1-細胞質ダイニンの複合体が形成され、この複合体がキネシンによって微小管のプラス端に運搬されることを証明した。 2 Ndel1のリン酸化と細胞分裂の解明。 Ndel1は細胞分裂期にCDK1やAuroraAによってリン酸化されることを我々は明らかにした。また我々はCDK1がNdel1のリン酸化によって微小管を切断するカタニンを活性化すること発見した。さらにNdel1のリン酸化は中心体特異的な脱リン酸化酵素・PP4によって抑制されていること発見した。特にPP4はCDK1の活性化も抑制しており、PP4はM期突入の制御因子として機能していることが分かってきた。一方、PP4のノックアウトマウスを用いた解析から、PP4をノックアウトした細胞ではCDK1が分裂間期においても活性化されていることを明らかにした。
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