2008 Fiscal Year Annual Research Report
βカテニンとPAR-3複合体の接着非依存的相互作用の解析
Project/Area Number |
20013037
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
永渕 昭良 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 教授 (80218023)
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Keywords | 上皮分化 / 上皮極性 / 細胞間接着 / カドヘリン / カテニン / PAR複合体 |
Research Abstract |
本研究は上皮極性形成においてカドヘリン依存性細胞間接着が果たす役割、上皮極性形成が細胞間接着装置複合体形成において果たす役割の解明を目的としている。具体的には上皮細胞の細胞間接着において重要な役割を果たすカドヘリン・カテニン複合体が機能しない条件下でのPAR-3複合体など極性関連因子の挙動の解析、接着活性を持たないカドヘリン・カテニン複合体とPAR-3複合体との相互作用の解析を行い、これまで見落とされていた、細胞間接着と極性形成機構との新たな関連を明らかにする。一昨年度までにβカテニンのアルマジロリピート2-9が極性複合体との相互作用に必要なことを明らかにした。昨年度はこの結果を元にβカテニン分子内でPAR-3複合体との相互作用に必要な領域の特定を試みたが失敗に終わった。しかしその過程で、βカテニン・カドヘリン融合タンパク質が、カドヘリン分子とは相互作用せずにPAR-3複合体とのみ相互作用することを明らかにした。この分子は一方で接着非依存的にαカテニンの発現を更新できることも明らかにした。現在このβカテニン・カドヘリン融合タンパク質が、カドヘリン・カテニン複合体とPAR-3複合体の相互作用を阻害するドミナントネガティブ因子として機能できるかどうか検討中である。合わせて、βカテニンとαカテニンの相互作用の分子機構についても解析を進めている。
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Research Products
(4 results)