2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20013044
|
Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
福井 泰久 Hoshi University, 創薬科学研究センター, 特任教授 (00181248)
|
Keywords | 印環細胞癌 / 細胞間相互作用 / ヘリグリン / ErbB3 / SWAP-70 / 細胞増殖 / トランスフォーメーション / 細胞膜 |
Research Abstract |
印環細胞癌については、細胞がバラバラになることが問題であると思われるので、それについて、別の細胞系MCF7で調べた。印環細胞癌ではErbB3が活性化されているので、そのリガンドheregulin(HGR)を作用させた。その結果、細胞間相互作用を示すE-cadherin、Occludinなどが消失し、印環細胞癌においてErbB3のシグナリングパスウエイが活性化されていることが、細胞間相互作用の喪失につながっていることが明らかになった。また、HGRを除くとMCF7細胞は元に戻ることから、印環細胞癌でも恒常的にErbB3の活性化が重要であることがわかった。とくにErbB3の下流因子としてはp38MAPキナーゼが重要であることもMCF7細胞と印環細胞癌で共通していることがわかった。 一方、SWAP-70に関しては、普段細胞質に存在するものが恒常的に細胞膜に移行している変異株の構築に成功した。この変異株をマウス胎児繊維芽細胞に導入し、細胞株を樹立した。その結果、細胞の形態が短く変化し、細胞増殖の速度が上昇することがわかった。また、細胞がシャーレを飽和した時の細胞の数が増加し、栄養飢餓条件に対して感受性で死にいたることもわかった。これに対し、この変異株にさらに別の変異を導入し、膜との親和性がなくなるために細胞膜に移行できなくすると、細胞の形態がより平らになり、増殖速度が落ち、細胞がシャーレを飽和した時の細胞の数が減少することがわかった。これらのことから、SWAP-70は細胞のトランスフォーメーションと密接な関係があり、ヒトの癌との関連が示唆された。
|
Research Products
(4 results)