2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20013051
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
芝崎 太 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (90300954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 リー 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30425681)
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Keywords | 低酵素反応性因子 / siRNA / 血管新生 / 生物モデル / 転写因子 / 翻訳調節因子 / 虚血性疾患 |
Research Abstract |
【研究の目的】:これまでに低酸素反応性因子HIFに関して新規因子の同定と解析を行ってきた(JBC 2004)。この中で、HIF2に特異的に結合し、HIF1とは異なった蛋白安定性の機序を示す因子Int6/eIF3eを同定した(Chen et al JBC2007)。Int6はマウス乳ガン発症ウイルスがゲノムにIntegrationされる際の6番目の一であることから命名されており、マウスの乳ガン発症に不可欠との報告がなされていた。これまでの解析では、Int6はpVHLとは異なった機序でHIF2を特異的に分解し、さらに1淵IF2によるInt6のプロモーター制御をも介したNegative Feedback機序に重要な役割を演じていることが判明した。さらにInt6に特異的なsiRNAをマゥスの皮下に発現させたところ、非常に強力に、正常動脈・静脈を誘導した。本申請では、これらの結果を基に、癌化、特に乳ガンの癌化機序に関してKOマウス、およびヒト乳ガンサンプルを用いて解析を進める。 【研究成果】これまでの詳細な解析により、Int6はHIF2を介した正常な動脈・静脈など血管新生のマスタースイッチの一つであることが明らかになった。さらに、Int6およびHIF2はそれぞれ低酸素に反応するプロモーター配列HREを持ち、HIF2自身のポジティブ制御に加え、Int6によるネガティブフィードバック制御により厳密に制御されていることが明確になった(Circulation, in press)。今回の研究では、conditional KOマウス作製のためのベクター構築が完了し、現在マウスへの導入を行い、ES細胞を選別している最中である。今後、表現形が出た場合には詳細に解析を進める予定である。また、siRNA-Int6を用いた予備的な動物モデルでの検討として、皮膚損傷モデル、下肢閉塞モデル、脳梗塞モデル、心筋梗塞モデルなど、siRNAの導入により著明な改善効果が認められた。これらの結果よりInt6/HIF2を介する情報伝達系は、血管新生の機序解明には不可欠なPathwayであることが明確になった。
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[Book] 医学の歩み2009
Author(s)
芝崎太、内野博之、池田幸穂
Total Pages
5
Publisher
siRNAによる虚血性神経障害の保護
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