2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20013053
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
三好 淳 Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses, 分子生物学部門, 部長 (80166214)
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / 病理学 / 遺伝子 / 発生・分化 |
Research Abstract |
細胞接着分子nectin/Neclファミリーの中で,nectin-2,-4,Necl-5は腫瘍悪性化を促進し、Necl-1,-2,-4は腫瘍抑制活性を示すことが報告されている。本年度はafadin、LMO7、Necl-2について報告する。Afadinはadherens junction (AJ)に局在するnectinをアクチン細胞骨格に連結する蛋白質である。条件的afadin欠損マウスの表現型解析から、afadinは大腸上皮細胞においてnectin-2のAJへの局在を規定し、大腸上皮のバリア機能、炎症およびアポトーシス誘導刺激に対する恒常性の維持に貢献することが示唆された。Afadinはnectin、N-cadherinおよびbeta-acteninの海馬CA3領域のシナプス構造への集積に必須であること、また、活性型Rap1と結合しPI3K-Aktを介してVEGFおよびS1P誘導性の血管新生を促進することを明らかにした。Afadin結合蛋白質の一つであるLIM-domain only (LMO)7欠損マウスでは肺腺がんの自然発症が認められた。そこで、ヒト肺腺がん57症例の手術標本を用いて免疫組織学的にLMO7発現を比較検討した結果(高発現グループ24例、低発現グループ33例)、LMO7発現レベルはヒト肺腺がんの腫瘍進行と予後に逆相関を示すバイオマーカーとして有用であることが示唆された。Necl-2はマウス表皮幹細胞の増殖と運動を抑制的に制御して、その毛嚢内局在を調節すること、さらに、Necl-2はリンパ節内でのCD8陽性T細胞と樹状突起細胞間の相互作用に重要であり、T細胞の停留と分化を貢献することが明らかになった。現在、nectin/Necl関連遺伝子欠損ががん浸潤転移に及ぼす影響を検討するマウス実験系を構築中であり、今後の研究の展開が期待される。
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Research Products
(4 results)