2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20014008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清井 仁 Nagoya University, 医学部・附属病院, 講師 (90314004)
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Keywords | 白血病 / 阻害剤 / 分子標的療法 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究は、個々の白血病細胞における種々のキナーゼ阻害剤に対する感受性を液体培養系およびストローマ細胞上での接着培養系を用いた評価によりパネル化することによって、より臨床病態を反映したキナーゼ分子の活性化プロフィールに基づく白血病の層別化を行い、同時に新たな活性化分子や活性型遺伝子変異の同定から治療成績の向上につながる標的阻害療法の開発へと展開していくことを目的とし、本年度は下記の成果を得た。 ・急性白血病細胞の大部分は細胞表面にFLT3又はcKITキナーゼを発現しており、骨髄微小環境においてはそのリガンド(FL及びSCF)との結合が細胞接着と治療感受性の低下に関与していることを示唆する結果を得た。また、変異FLT3分子発現細胞においても、正常FLT3分子が共発現している場合には、リガンド依存性の正常FLT3シグナルが細胞接着ならびにキナーゼ阻害剤に対する感受性を低減させていることが明らかとなった。そこで、これら分子を介した細胞接着を考慮した評価系として、膜結合型のFLおよびSCF発現HESS5、HTART、MS-5ストローマ細胞を樹立した。 ・ストローマ細胞との接着培養系においては、FLT3、cKIT特異的阻害剤単独では、殆どの急性白血病細胞にアポトーシスを誘導できないだけでなく、細胞接着阻害効果も認められなかった。一方、KDRやSRK阻害活性を有するsunitinib、dasatinibによる細胞接着阻害効果は白血病細胞間で異なることから、これらの阻害剤による一次スクリーニングを進め、更に細分化を進めている。
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