2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20014010
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森井 英一 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (10283772)
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Keywords | 腫瘍 / マーカー / 腫瘍幹細胞 / 病理学 |
Research Abstract |
腫瘍幹細胞という点から腫瘍の個性化を図るためには、腫瘍幹細胞の多寡を腫瘍組織にて検討する必要がある。そのためのもっとも有効な方法は免疫染色であるが、そのためには腫瘍幹細胞のマーカーを同定しないといけない。本年度は、腫瘍幹細胞が多く含まれていると考えられるside-populationをソートし、その画分に高発現する遺伝子を調べることで腫瘍幹細胞マーカーを検討した。まず乳癌細胞株よりside-populationで高発現する遺伝子として同定したCD55を用いて、その発現と予後との関係を乳癌臨床検体を用いて検討したところ、CD55を高発現する細胞を多く含む症例では予後不良であった。また, 造血系や間葉系幹細胞に発現がみられるCDCP1について, 肺腺癌臨床検体を用いてその発現と予後との関係について検討したところ、CDCP1の発現が高い症例の方が低い症例に比較し有意に予後不良であった。以上より腫瘍幹細胞の存在の多寡が予後を決定することが示唆された。また、現在肺腺癌細胞株のside-populationで高発現するオーファンレセプターについても同様の検討を行っている最中である。この他に、side-populationを形成する上で必須であるとされる膜トランスポーターであるABCG2がIL-6過剰状態にあるリンパ節炎で形質細胞に強く発現することを見出し、ABCG2が小胞体ストレスにより発現調節されることも示した。また、肺腺癌でストレス蛋白質であるHsp105が強く発現することも見出し、この発現の多寡が予後と相関することも明らかにした。
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Research Products
(11 results)