2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20014032
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
中地 敬 Radiation Effects Research Foundation, プロジェクト代表研究者 (00142117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 洋一郎 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 部長代理 (60333548)
林 奉権 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 免疫学研究室長 (70333549)
濱谷 清裕 (財)放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 細胞生物学研究室長 (80344414)
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Keywords | 免疫 / 炎症 / 原爆放射線 / ゲノム解析 / 発がん機構 |
Research Abstract |
埼玉コーホート研究と原爆被爆者免疫コーホート研究を統合して、免疫、炎症、放射線被曝、発がんの関係を明らかにすることを目的とする。特に、放射線発がんにおける炎症の役割を中心に研究を進めた。GVHD、Poly(I : C)投与の二つのマウス炎症モデルでTNF-αレベルの上昇を伴う小核網状赤血球の頻度増加が観察され、造血系のゲノム不安定性への炎症の関与が示唆された(Mutat Res, in press)。以前に埼玉コーホート研究で末梢血のNK活性が発がんと負の関係を示し(Lancet,2000)、NK活性の遺伝的要因が活性型受容体NKG2D遺伝子のハプロタイプであることを見出したが(Cancer Res,2006)、NKG2Dハプロタイプは原爆被爆HCV感染者のHCVクリアランスに関連することを新たに見出した(未発表データ)。さらに、原爆被爆者コーホートで末梢血CD8TおよびNK細胞のNKG2D細胞表面発現量とNKG2Dハプロタイプに強い関連を見出した(未発表データ)。これらの結果は抗腫瘍・ウイルス免疫応答の個人差にIVKG2Dハプロタイプが関与するという我々の仮説を支持するものである。原爆被爆者コーホートの免疫ゲノム研究から、呼吸器の炎症関連因子であるEGFR遺伝子の第1イントロンCA繰り返し数多型が肺がん相対リスク(特に肺腺がん)と有意に関連すること、肺がんリスクの被ばく線量依存性は遺伝子型により異なることを見出した(Carcinogensis,2009)。免疫ゲノム研究と並行して、原爆被爆者コーホートのがん組織検体を解析した。高線量に被ばくした甲状腺乳頭がん(PTC)ではRERET/PTC再配列をもつ症例が高頻度であることを以前に報告したが(Cancer Res,2008)、遺伝子変異が未同定の被ばくPTC症例の半数にこれまでPTCでは未報告のALK遺伝子再配列を見出した(未発表データ)。
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Research Products
(31 results)