2008 Fiscal Year Annual Research Report
がんに対するIFNを組み合わせた新しい抗体治療ストラテジーの開発
Project/Area Number |
20015002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高岡 晃教 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30323611)
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Keywords | インターフェロン / がん / 抗体治療 / サイトカイン / 分子標的 |
Research Abstract |
我々がこれまでに行ってきたIFN研究に基づき, それを発展させた形で, IFNシグナルとがんの抗体治療と組み合わせることで従来の抗体治療にはない, 新たな治療コンセプトを確立し, その臨床応用へ向けた分子基盤を見出すことを目的として研究を進めた.まず, がん細胞と正常細胞とのI型IFNに対する反応性の違いをDNA chipを用いてその誘導遺伝子群を比較検討し, その中で細胞表面に発現する分子に着目して, がん細胞表面に顕著に発現増強される分子を同定することが当初の予定であったが, 実際に細胞膜上でタンパク質レベルである程度の発現がみられるものに着目し直接的にスクリーニングするため, I型IFN刺激後に細胞表面にのみビオチン化処理を行うという方法を用いた.その後, 細胞膜分画を分離し, SDS-PAGEを行った後質量分析による解析でタンパク質を同定した.20以上のバンドを検索した結果, 最終的に5つにターゲットを絞った.その後, 実際に細胞染色によって発現を確認した.さらに担がんSCIDマウスを用いたin vivoの系においてもがん組織において発現が増強されることを確認した.一方, 現在, これらの候補分子の機能についてとくにがん細胞の増殖における関与という局面から最終的な検討を行っている状況であり, この結果を考慮した上で, ターゲット分子を最終決定したいと考えている.さらに, 次年度からは, ターゲットに対する抗体を作製して, IFN併用による抗体の抗腫瘍効果について検討を進めていく予定である.
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Research Products
(3 results)