2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルを用いた腫瘍新生血管標的性リアルタイム超音波分子導入システムの開発
Project/Area Number |
20015005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 教授 (40271986)
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Keywords | ナノバブル / 癌画像処理 / シミュレーション / イメージング |
Research Abstract |
本研究は, PER効果で固形腫瘍内の血管を流れ, 漏出・滞留するナノバブルをコンピューター制御下にある超音波で破壊し, このとき発生するキャビテーション気泡の衝撃圧で血管壁周辺組織に治療性分子を導入し, 「血管新生の抑制を目指す実時間超音波分子導入システムの開発」と「がん遺伝子治療」への応用を検証することを目的とする. 従来の血管を介したマイクロ気泡と超音波を利用した遺伝子導入の研究では, プラスミドDNAとマイクロ気泡の混合液が使用されてきた. この方法では, 血液中に大量に存在するエンドヌクレアーゼの作用でDNAが急激に分解される確率が高いことが知られている. そこで, 本年度では, 液体とガスを同時に封入されるナノバブルの作製をおこなった. 平均直径200nmであるナノバブルを作製し, 走査型電子顕微鏡写真観察から, 内部にガスと液体が封入されていることを確認した. これにより, 液体にDNAを溶かすことで, ドラッグキャリアの機能と超音波造影性を有するナノバブルの開発が可能になった1実時間での分子導入法を確立では, ナノバブルの移動で得られる超音波の画像の閾値をトリガー信号にして超音波の照射可能な実時間分子導入法を開発した. これにより, ナノバブル集積箇所でナノバブルを破壊してナノバブルに含まれる薬剤を選択的に導入できるシステムの開発が可能になった. 次年度は, この成果をもとにDNAを封入させたナノブルを開発し, これをリアルタイムで導入可能は, 分子導入システムとして開発する.
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