2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20015012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 幹彦 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (00198011)
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Keywords | アポトーシス / IAP / cIAP1 / ユビキチン / プロテアソーム |
Research Abstract |
cIAP1は肺がん、食道がん、子宮頸がん, 肝臓がんなどで遺伝子増幅による過剰発現が認められ、細胞のがん化や治療抵抗性に関与する事が知られている。我々は細胞内でcIAP1を選択的に減少させ、がん細胞のアポトーシスを増加させる低分子化合物(MeBS)を開発した。MeBSはアミノペプチダーゼ阻害活性をもつが、MeBSはcIAPIと直接結合すること、in vitroで再構成したcIAP1ユビキチン化実験でもMeBSはcIAP1の自己ユビキチン化を活性化すること、構造活性相関からアミノペプチダーゼ阻害活性とcIAP1減少活性は全く相関しない等の結果から、MeBSはアミノペプチダーゼ阻害とは全く異なるメカニズムでcIAP1の自己ユビキチン化を活性化してその量を減少させることが明らかになった。 各種がん細胞でcIAP1とXIAPの発現量を比較した結果、cIAP1遺伝子増幅によりcIAP1の発現量が多いがん細胞はXIAPの発現量が少なく、逆にXIAP発現量が多いがん細胞はcIAP1発現量が少ない傾向が見られた。cIAP1発現量が多い子宮頸癌細胞CaSkiは各種刺激による細胞死がMeBS処理により増加したが、XIAP発現量が多くcIAPI発現量が少ない子宮頸癌細胞甑180はMeBSを処理しても細胞死の増強はほとんど観察されなかった。これらの結果からMeBSのようにcIAP1自己ユビキチン化を起こす薬剤は、cIAP1発現量が多いがん細胞の細胞死を増強させることができ、cIAP1遺伝子増幅癌の治療に有効な薬剤となる可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)