2008 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞機能の理解に基づく腫瘍特異的免疫誘導法の開発
Project/Area Number |
20015016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田原 秀晃 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (70322071)
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Keywords | 免疫学 / がん治療 / 樹状細胞 / サイトカイン / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
樹状細胞は、自然免疫と獲得免疫の橋渡し役を担い、生体の免疫反応の種類と程度を司る専門的抗原呈示細胞である。この細胞群の機能をさらに深く検討し、その結果を利用すれば、現在進められている様々な癌関連抗原を用いた癌免疫療法を発展させるための糸口が見出せると考えられる。そこで本研究においては効果的な癌免疫療法の開発を目的として、樹状細胞の分泌するサイトカインであり我々がその抗腫瘍効果と機序について最近報告したIL-23のより良い利用法、および、apoptosisに陥った癌細胞が免疫寛容を誘導する機序の解明と克服法について検討した。1) 樹状細胞の分泌するサイトカインであるIL-23の投与による抗腫瘍免疫反応誘導の機序ならびに治療への応用に関して、マウス皮下腫瘍モデルならびに肺転移モデルなどにおける治療としてIL-23 cDNAをIVEにより筋肉内に遺伝子導入してIL-23蛋白を全身投与し、治療されたマウスのリンパ節ならびに脾臓における抗腫瘍免疫反応の性質と程度を検討した。その結果、NKおよびNK-T細胞がこの抗腫瘍効果に関与することが示唆された。血管新生阻害作用については、明らかなものを認めなかった。2) IL-23投与などにより誘導されるTh17反応の抗腫瘍効果への関与に関して、IL-17遺伝子ノックアウト・マウスを用いて検討を始めたが、IL-17欠損による明らかな抗腫瘍効果の減弱は認めなかった。3) 腫瘍抗原を用いたワクチンを含む抗腫瘍治療の効果増強法の開発として、免疫寛容を誘導する因子としてMilk Fat Globule EGF-8に着目し、この分子を阻害することにより抗腫瘍効果を有意に増強できることを見出した。
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Research Products
(4 results)