2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20015021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信孝 Kyoto University, 薬学研究科, 教授 (60109014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 真也 京都大学, 薬学研究科, 助教 (80381739)
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Keywords | CXCR4 / 薬剤耐性 / ケモカイン / 癌 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
研究グループでは、がんのシステムバイオロジー研究に用いられる各ケミカルプローブの創出とこれを基盤にした多元的化学療法の実践のための多重標的創薬研究を推進した。 [同一創薬標的制御による癌治療の多点制御]CXCR4受容体アンタゴニストFC131の中心骨格を非ペプチド性のドラッグライクな骨格へと変換することを目的として、ペプチドミメティクスを利用した各種誘導体を設計し、構造活性相関研究を行った。また、前年度までの研究により見出されたインドール誘導体の構造活性相関研究を効率的に展開するべく、多成分反応による中心骨格の構築法を最適化した。さらに、ペプチド性TI40誘導体の診断薬への応用を指向して、種々標識誘導体の創製研究を展開した。PET標識官能基を含むT140誘導体に、T140とほぼ同等の受容体結合阻害活性があることを見出し、現在標識条件の最適化を実施している。 [同一化合物による多点創薬標的制御]GPR54受容体アゴニストTOM80(ペンタペプチド)は、極めて高い活性を示すものの、癌組織中に多量に存在する各種マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の基質となって分解を受ける可能性があった。このため、TOM80の基本構造をベースにして、生体内安定化を指向した分子設計を行い、ペプチドミメティクスを活用した新規誘導体の構造活性相関研究を展開した。すでに立体選択的合成法を確立していたアルケン型ジペプチドイソスターを鍵合成中間体とし、オレフィン部位の誘導化を実施することで効率的に複数の非ペプチドユニットを構築する方法を確立した。これらのペプチドミメティクスをTOM80へ応用した結果、2つの誘導体にTOM80とほぼ同等のアゴニスト活性を示す化合物を見出した。これらの化合物は、マウス血清中で24時間以上安定であり、MMP-2およびMMP-9による分解を受けないことを確認した。
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Research Products
(37 results)