2008 Fiscal Year Annual Research Report
PD-1/PD-L1系のシグナル遮断による新規がん免疫療法の開発
Project/Area Number |
20015023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 義正 Kyoto University, 医学研究科, 特定准教授 (90280700)
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Keywords | PD-1 / PD-L1 / 四量体 / タンパク質 / クローニング / 大腸菌 / シグナル / ゲル濾過 |
Research Abstract |
本年度は、マウスPD-1、マウスPD-L1、ヒトPD-1、ヒトPD-L1の細胞外領域四量体作成を試みた。まず、それぞれのタンパク質の細胞外領域をクローニングして、N末のシグナルペプチドをコードする塩基を除き、C末にBirA被認識塩基配列を挿入したものを大腸菌発現用ベクターに組み込んだ。いずれも、そのままでは発現が確認されなかったため、大腸菌用コドンインデックスの置換、ホルミルメチオニン除去、リボソーム可動性の改良、レアーコドンの除去の操作を行い、これらの組み替えタンパク質を大腸菌1リットル培養当たり100mgから300mgの収率で封入体として産生した。次に、これら封入体を界面活性剤で洗浄し、グアニジン緩衝液に溶解し、グルタチオン添加アルギニン緩衝液に迅速希釈してリフォールディングを行った。タンパク質の精製は陽イオン交換樹脂あるいは陰イオン交換樹脂を用いて行い、最後にゲル濾過にかけ精製標品とした。こうして得られたタンパク質をビオチン化するためにBirAを用いて酵素的にモノビオチン化を行った。次に、PE-標識をしたストレプトアビジンと混合させることにより四量体を作成した。この方法により、マウスPD-1、マウスPD-L1、ヒトPD-1は四量体になることが確かめられた。ヒトPD-L1に関しては、C末を改良したタンパク質を作成し、次年度に四量体を作成予定である。すでに作成された3種の四量体に関しては、次年度において、PEGと共有結合させたり、エピクロールヒドリンで重合させることにより安定化をはかり、PD-1/PD-L1シグナル遮断薬として用いることができるよう工夫する。
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Research Products
(5 results)