2008 Fiscal Year Annual Research Report
がんの物理療法としての分子標的型内用放射線治療法の確立
Project/Area Number |
20015035
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
向 高弘 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30284706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 稔 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (70101178)
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Keywords | 放射線 / 癌 / 薬学 |
Research Abstract |
がん組織に選択的に、かつ高く集積する内用放射線治療薬剤の開発を目的とし、本年度はチミジンホスホリラーゼ(TP)を標的とする放射性薬剤の開発を行った。TPは種々の腫瘍において高く発現し、その発現量が腫瘍の悪性度とよく相関することが知られていることから、TP活性の高い腫瘍に選択的に放射能を送達することにより、内用放射線療法としての効果が期待される。そこで、TPの阻害剤として報告されている化合物、6-[(2-iminopyrrolidinyl)methyl]-5-iodouracil(5I6IPU)を標的化合物として選択し、5位のヨウ素原子を放射性ヨウ素原子に置換した標識化合物([*I]5I6IPU)を設計した。まず、6-chloromethyluracilにN-bromosuccinimideを反応させることにより、5位に臭素原子を導入し、さらに2-iminopyrrolidine hydrochlorideを反応させ得た5Br6IPUを標識前駆体とし、臭素-ヨウ素交換反応により、標識体[^<125>I]5I6IPUを放射化学的収率28%、放射化学的純度97%以上で合成した。得られた[^<125>I]5I6IPUをマウスに投与したところ、TP発現の認められる肝臓への高い集積を示し、その集積は非標識体5I6IPUの同時投与により有意に減少した。このことは、本標識化合物の肝臓への集積がTPとの特異結合によることを示唆するものである。また、甲状腺、胃への集積は少なく、生体内での脱ヨウ素化反応に対して、安定であることが分かった。以上のことから、放射性ヨウ素標識5I6IPUにより、生体内TPへ放射能を送達できる可能性が示された。
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Research Products
(4 results)