2008 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球腫瘍化にかかわるインターフェロン系転写因子IRFー4を標的とした創薬研究
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20015036
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松山 俊文 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30165922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 雅之 長崎大学, (財)微生物化学研究会微生物化学研究センター, 生物資源探索ユニット長 (40260137)
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Keywords | IRF-4 / インターフェロン / 成人T細胞性白血病リンパ腫 / 放線菌由来生理活性化物質 / IRF-1 / インターフェロン制御因子 |
Research Abstract |
インターフェロン制御因子-4(IRF-4)はIRFファミリーに属する転写因子であり、免疫担当細胞特異的に発現誘導され、細胞増殖に対して正の方向に働く癌遺伝子としての性格を有する。申請者らはISREの配列(ISRE-SAAB1)においてIRF-1は転写を活性化し、IRF-4はその活性を抑制することを見出した。 ISRE-SAABlの下流につないだレポーター活性の回復を指標としてIRF-4阻害物質の探索を(財)微生物化学研究会微生物化学研究センターと連携して開始した。現在までに放線菌由来生理活性化物質6400検体のスクリーニングが終了したが、IRF-4を効果的に抑制する物質は見つかっていない。そこで、申請者らは、IRF-4の発現が上昇しているリンパ球系腫瘍である成人T細胞性白血病・リンパ腫(ATLL)細胞に注目した。TNFsuperfamilyの一つであるTRAILは癌細胞には細胞死を誘導するが、正常細胞には殆ど影響しない。ATLL細胞は、TARIL受容体のR1, R2が発現しているが、TRAILに対して抵抗性である。そこで、TRAILと放線菌由来生理活性化物質の併用でATLL細胞特異的に作用する物資のスクリーニングを開始した。使用した細胞株はATLL患者より樹立されたもので臨床検体に近い細胞である。現在までに6336検体をスクリーニングし、288検体に2次スクリーニングを行い、さらに120検体で3次スクリーニングし、TRAILと相互作用するものを3検体見出した。それらについて、HPLC、溶剤抽出試験などで作用物質の精製を行い、mass spectrometryで物質を同定した。それらは、以前に抗真菌剤として見いだされた物質であった。現在それらの精製物質に関して、ATLL細胞株、正常細胞に対しての効果などについての検討を行っている。また、IRF-4との関連についても検討していく予定である。
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Research Products
(6 results)