2008 Fiscal Year Annual Research Report
TRAILとDR5を標的とした癌の「分子標的併用療法」の開発
Project/Area Number |
20015040
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 敏行 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 教授 (20186993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (70315935)
与五沢 真吾 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (70381936)
堀中 真野 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (80512037)
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Keywords | 癌 / TRAIL / DR5 / p53 / 併用 |
Research Abstract |
近年、癌の分子メカニズムおよび様々な薬剤の薬理メカニズムが明らかにされ、科学的に根拠を持つ併用が可能になりつつある。我々は、こういった背景を基に、このような分子メカニズムに基づいた併用を「分子標的併用療法」と名付け提唱している。そのモデルとして、アポトーシス関連因子のDR5と、そのリガンドであるTRAILに着目した。本研究目的を、(1)DR5の発現誘導剤の探索、(2)TRAILの発現誘導剤の探索、(3)DR5発現誘導剤とTRAILの発現誘導剤との併用による「癌の分子標的併用療法」の開発、とする。 DR5発現誘導成分の検討において、尿酸合成阻害薬のallopurinol、抗血小板薬のdipyridamole、さらに植物成分では、生薬オウゴンの成分であるbaicalein、生薬カンゾウの成分であるisoliquiritigein、ダイコンやタマネギの成分であるkaempferol、マメ科植物の成分であるbrandisianin Dに、それぞれDR5発現誘導能があることを見出した。そしてそれらと、DR5の特異的リガンドであり、抗腫瘍性サイトカインであるTRAILとの併用によって、腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導が、TRAIL単剤に比べて著しく増強することを確認した(Yasuda T. et al. Mol. Cancer Res. 2008, Goda A et al. Oncogene 2008, Taniguchi H et al. Cancer Res. 2008, Yoshida T. et al. BBRC 2008, Yoshida T. et al. EHPM2008, Kikuchi H et al Bioorg. Med. Chem. 2009)。一方、TRAIL発現誘導剤に関しても、探索の結果、3種類の候補物質を見出した。現在、そのうちの1種類に関しては論文投稿中であり、2種類に関しては動物実験に入っている段階である。今後、さらにTRAIL発現誘導剤の探索を続け、新たな組み合わせの検討を進めていく。
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Research Products
(23 results)