2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん悪性化機構を標的とした抗がん剤リード化合物の開発
Project/Area Number |
20015043
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井本 正哉 Keio University, 理工学部, 教授 (60213253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 悦 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (00365446)
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Keywords | EGF / アポトーシス / V-ATPase / 前立腺がん / アンドロゲン受容体 |
Research Abstract |
1) EGF刺激選択的に細胞死を誘導する化合物の探索 上皮細胞増殖因子(EGF)受容体にEGFが結合すると、受容体は活性化し細胞は分化・増殖する。多くのがん細胞ではEGF受容体が過剰発現しており、異常な増殖シグナルが伝わることでがんの悪性化に深く関与している。EGF受容体過剰発現細胞をEGFで刺激した際に選択的に細胞死を誘導する化合物を理化学研究所より供与された放線菌2次代謝産物ライブラリーから探索した。その結果、約1500サンプル中1サンプルRBA0001-47株が目的の活性物質を生産していることを見出した。当研究室では、V-ATPase阻害剤が目的の活性を示すことを見出してきたが、上記のヒットサンプルはV-ATPase阻害活性を示さなかった。そこで、この株の生産する活性化合物の単離精製を試みた。2Gの培養液をpH3に調整し、等量の酢酸エチルで抽出した。得られた抽出物を各種クロマトグラフィーにより精製し、活性化合物の単離に成功した。この化合物の分子量とUV吸収パターンデータを基に"Dictionary of Natural Prcducts"よりデータベース検索を行ったが、一致する化合物は存在しなかった。このことから本化合物は新規物質であることが期待されている。 2) 前立腺がん治療薬リード化合物の探索 前立腺がん細胞では、アンドロゲン受容体(AR)にアンドロゲンが結合すると、ARが核内へ移行し、がん悪性化因子を転写することが知られている。そこで、ARの核内移行はがんの悪性化の重要な要因であると考え、ARとアンドロゲンであるDHTの阻害物質を探索した。その結果、1901a-35株が目的の活性化合物を生産することを見出した。そこで、本生産菌を大量培養し単離精製を行った。その結果, 活性物質は免疫抑制活性が報告されているSNF4435Cと同定した.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Discovery of Incednine as a Potent Modulator of the Anti-apoptotic Function of Bc1-xL from Microbial Origin2008
Author(s)
Y. Futamura, R. Sawa, Y. Umezawa, M. Igarashi, H. Nakamura, K. Hasegawa, M. Yamasaki, E. Tashiro, Y. Takahashi, Y. Akamatsu, and M. Imoto
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Journal Title
J. Am. Chem. Soc 130
Pages: 1822-1823
Peer Reviewed
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[Journal Article] The identification of an osteoclastogenesis inhibitor through the inhibit ion of glyoxalase I2008
Author(s)
M. Kawatani, H. Okumura, K Honda, N. Kanoh, M. Muroi, N. Dohmae, M. Takami, M. Kitagawa, Y. Futamura, M. Imoto, and H. Osada
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105
Pages: 11691-11696
Peer Reviewed
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