2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20016018
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
作村 諭一 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 准教授 (50324968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 岳史 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (60362604)
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Keywords | システム生物学 / 分子生物学 / 形態形成 / 統計解析 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
細胞形状の変化を追跡するための、Edge Evolution Tracking (EET)アルゴリズムを開発し、論文誌に発表した。アルゴリズムの概略は以下の通りである。(1)ノイズ除去処理後の各顕微鏡画像から、形態と分子活性データを定量化する。(2)時間的に連続する画像の差分を評価し、形状が変化した部位に関してラベルを付加する。(3)細胞エッジ上に各時刻で付加されたラベルのうち、連続する時刻間でのラベルの関係を発展系統樹で記述する。(4)これにより、過去と未来の依存関係が定義され、この定義空間における細胞エッジの動きと分子活性のプロファイルを評価することができる。以上のアルゴリズムによって得られる細胞エッジ(HT1080細胞)の動きとその近辺の分子活性のプロファイルから、時間差を含めて相関係数を求めた結果、Gタンパク質(Cdc42/Rac/Rho)ごとに正の相関があることが明らかとなった。上記のEETアルゴリズムは、細胞全体のスケールで長時間の形状追跡をする目的に向いている。一方で、PC12の突起先端のような微小部位の分子活性を観察すると、分子活性の変化は非常に早く、注目する細胞部位の形状変化は限られた部位であることが分かる。そこで、まず局所時間・局所空間の定量化を行った。各局所空間において、短時間と長時間の移動量の分布を作成した。この分布から、形状エッジの運動について特徴ごとにクラス分けし、各クラスにおける分子活性の時系列の平均を算出した。その結果、RaclとRhoAについてそれぞれ特徴的な時系列が得られた。
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Research Products
(8 results)