2008 Fiscal Year Annual Research Report
グラフィカル・モデルに基づく生命情報からの因果・関連性解析
Project/Area Number |
20016028
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
堀本 勝久 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生命情報工学研究センター, 研究チーム長 (40238803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 博幸 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70192656)
油谷 幸代 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 研究員 (10361627)
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Keywords | 遺伝子制御 / 蛋白質相互作用 / ネットワーク / 統計因果推論 / ゲノム情報 |
Research Abstract |
グラフィカル連鎖モデル(GCM)の適用法については、細胞周期及び肝癌進展過程の解明のため、それぞれの遺伝子発現プロファイルに適用した。細胞周期については隣接する細胞状態の関係性に加え時間的に離れた細胞状態間の遺伝子発現の関連性を推定することができた。肝癌進展過程の解析では、臨床及び病理の知見と一致した関係性が確認された。ただし、現解析法では異なる状態間で変数の重複が許されないという欠点がある。これは、同一分子が異なる細胞状態間で重要な役割を担う現象が解析不能であることを意味している。この欠点を克服するために、数学的な枠組みから逸脱せず、データ人力に関して工夫し仮想状態を仮定して解析する。これにより、重複変数の問題のみならず、変数の選別(特異的発現遺伝子の抽出)の必要がなくなり、すべての変数(全遺伝子)についてネットワーク構造変化及びそれらの寄与を推定することができた。 また、PCアルゴリズムを類似な物性特性を示す化合物データに適用し、化合物薬理活性データに基づいて性能評価を行い、有用であることを確認した。ただし、その有用性を確認するために、類似な物性特性を示す化合物データについて適用し、さらに、GCMのように異なる状態間のネットワーク構造変化に関する推定はできない。この点を、GCMの数学的枠組み用いてPCアルゴリズムの拡張を行い、GCMによる遺伝子群間のネットワーク構造変化の推定と同様に、より詳細な遺伝子間ネットワーク構造変化の推定が可能になった。GCM及び拡張PCアルゴリズムを組み合わせることで、マクロとミクロの二つの観点から階層的にネットワーク構造変化を追跡できることを確認した。
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