2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の器官再生能力の違いを規定するゲノム配列と構造
Project/Area Number |
20017002
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田村 宏治 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70261550)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 仁 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (90455816)
|
Keywords | 両生類 / 器官再生 / 形態形成 / エピジェネティクス / Hox / トランスジェニック動物 / エンハンサー / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
まず、アフリカツメガエル四肢再生時に活性化されるマウスPrx1エンハンサーについて解析を行った。四肢を再生することのない哺乳類の四肢特異的エンハンサーが両生類の四肢再生時に活性化されるために重要と考えられるいくつかのエレメントと転写因子結合配列をin silicoの解析から見出した。実際、このエレメントは両生類だけではなく魚類においても機能し活性を持つことをトランスジェニックゼブラフィッシュを用いた解析により明らかにした。爬虫類を用いた実験を行うためにソメワケササクレヤモリの繁殖コロニーと分子生物学的な手法を用いた解析を行う基盤を築き論文として報告した(Noro et al., 2009)。現在Prx1四肢エンハンサーを導入したトランスジェニックマウスも作成しており、さまざまな動物種を用いた解析(Yonei-Tamura et al., 2008)を今後も展開する計画である。 一方でゲノム配列の呼び出しの状態をさまざまな動物の器官再生過程で比較解析した。その結果、両生類の中でも有尾類と無尾類ではDNAメチル化の状態が各臓器および時期によって異なることを、これまでよりも詳細な解析によって明らかにし、またそのメチル化状態を変更するだけで再生時に発現できなかった遺伝子発現を誘導することが可能であることを示した(yakushiji et al., 2009)。
|