2008 Fiscal Year Annual Research Report
非コード領域の配列モチーフ検出システムの構築とそれに基づくゲノムアノテーション
Project/Area Number |
20017017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須山 幹太 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (70452365)
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Keywords | 比較ゲノム / バイオインフォマティクス / 分子進化 |
Research Abstract |
ゲノム中には遺伝子コード領域の他に、遺伝子発現制御のための配列モチーフ(転写因子結合部位など)が存在する。しかし、これらのモチーフは比較的短い配列であるため、ゲノム中でのアノテーション(同定・分類)が困難な領域である。本研究は比較ゲノム解析により非コード領域に存在する配列モチーフ同定のための解析システムを構築し、得られたモチーフのゲノム中での高精度なアノテーションを行なうことを目的としている。 本年度は、ゲノムアライメントとマイクロアレイのデータをもとにした解析から、コアプロモータ領域に存在する新規モチーフの同定に成功した。これは本研究遂行のためのパイロットスタディーと捉えることができる。そのモチーフをヒトゲノム中に検索し、1000以上の遺伝子の上流に存在することを明らかにした。さらに、比較ゲノム解析から、そのモチーフが、哺乳類だけでなくニワトリやゼブラフィッシュを含めた脊椎動物にも高頻度に存在することを見出した。 さらに、ある遺伝子に的を絞った詳細な解析として、peripheral myelin protein 22(pmp22)の発現制御に関与するシス因子の解析を行なった。この遺伝子は正常なミエリンの形態形成において重要な役割を担っており、その発現レベルの異常が、たとえばCharcot-Marie-Tooth disease type 1A(CTM1A)といった神経疾患を惹き起こしていることが知られている。我々はメダカをモデルとし、その遺伝子の構造が哺乳類のそれと同じことを実験的に決定した。脊椎動物間での比較ゲノム解析から、メダカと哺乳類の間で保存されている非コード領域モチーフを新たに2つ見出した。
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Research Products
(1 results)