2008 Fiscal Year Annual Research Report
多重ゲノム配列アラインメントに基づく機能情報の抽出
Project/Area Number |
20017018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
後藤 修 Kyoto University, 情報学研究科, 教授 (40142111)
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Keywords | ゲノム配列 / 多重アラインメント / 遺伝子発見 / cDNAマッピング / 反復改善法 / スプライスアラインメント |
Research Abstract |
前年度に引きつづき、転写産物のゲノム配列へのマップとスプライスアラインメントの高効率化を推進した。昨年度開発・公開した我々のソフトウェアSpalnは、cDNA/EST配列を問い合わせとしたが、本年度はこれをさらに発展させ、アミノ酸配列を問い合わせとすることも可能とした。これにより、ゲノム配列を検索し、対応する遺伝子領域内で問い合わせアミノ酸配列を鋳型としたスプライスアラインメントを実行することができるようになった。この方法により、従来法に比べ2桁あまり高速でかつより高精度に当該遺伝子翻訳領域の遺伝子構造を同定することが可能となった。このことはまた、相同な遺伝子をゲノム横断的に発見するソフトウェアであるFamilyWiseの実装に向けて、重要な進捗が得られたことを意味する。 Spalnを実行した結果、ならびに以前開発した選択的スプライシングの自動分類法を用いることにより、正常組織と腫瘍組織における選択的スプライシングの様式差について検討を行った。生検組織から調整した試料に基づき、特定の腫瘍組織で選択的に発現または非発現するスプライス変異体を同定することに寄与できた。 ゲノム配列を粗視化することにより、段階的に対象を限定していく戦略を用いた我々のCGAT法は、他に類を見ない独自のゲノム配列アラインメント法である。この1年間の改良により、計算速度に関してはかなりの改良を果たせた。今後、比較対象ゲノム配列間の類似度に対する依存性など、その有効性についてさらに詳しく検討する必要がある。
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