2008 Fiscal Year Annual Research Report
イントロンの起源と進化:ゲノム進化における新たな機能の解明
Project/Area Number |
20017022
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
剣持 直哉 University of Miyazaki, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (00133124)
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Keywords | イントロン / 進化 / ゲノム / 非翻訳RNA / リボソーム / snoRNA / RPG / snOPY |
Research Abstract |
真核生物の核ゲノムの遺伝子には、多数のイントロンが存在する。これらイントロンの起源と進化、そしてゲノム進化における新たな機能を明らかにするために、情報系と実験系からの解析を行い、以下の成果を得た。 1. RPG(リボソームタンパク質遺伝子)データベースを拡充し、7, 000カ所のイントロンの獲得と消失のパターンを推測した。その結果、原生生物、植物、後生動物に共通の祖先生物には、すでに多数のイントロンが存在していたこと、また、共通祖先から現存する生物にいたる進化の過程で、イントロンの獲得と消失は活発に起きており、生物種によりその頻度・パターンは異なることが明らかになった。 2. イントロンの出現時期を推定するために、ミトコンドリアRP遺伝子を用いてその獲得と消失のパターンを解析した。その結果、ミトコンドリアRP遺伝子においても、後生動物の祖先生物には多数のイントロンが存在していたこと、最近分岐した生物においてはイントロンの獲得と消失はあまり活発ではないことが示された。この結果は、イントロンの後生説を支持していた。 3. イネいもち病菌で、非翻訳型RNA遺伝子のイントロンにコードされている6種のsnoRNAを発見した。そこで、これらのRNAが実際に発現していることを、イネいもち病菌のトータルRNAを用いて確認した。これらのsnoRNAは、各イントロンに1個ずつコードされており、クラスターを形成していた。このクラスターは、イントロンの獲得・消失の機構を解析するための良いモデルになると考えられる。 4.snoRNAのオーソログの情報を整備するために、多種生物のsnoRNAの情報を網羅したデータベースsnOPYを構築した(http://snoopy.med.miyazaki-u.ac.jp/)。これにより、イントロンの獲得・消失とsnoRNA出現のパターンを比較解析することが可能になった。
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Research Products
(10 results)