2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミヤコグサとのシンテニーを利用したダイズのゲノム構造の解析
Project/Area Number |
20017027
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
原田 久也 National Institute of Agrobiological Sciences, ダイズゲノム研究チーム, チーム長 (70011913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修正 かずさDNA研究所, 植物ゲノム研究部, 主任研究員 (70370921)
近江戸 伸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (30343263)
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Keywords | ダイズ / ミヤコグサ / ゲノム / 連鎖地図 / 比較地図 / シンテニー / 同祖遺伝子 / 遺伝子重複 |
Research Abstract |
1. ミスズダイズと秣食豆公503に由来するRILの連鎖地図を基準にして、ミヤコグサの塩基配列情報を利用して比較地図を作製した。F2連鎖地図を用いた結果と同様にダイズの染色体はミヤコグサ連鎖ブロックのモザイクとなっていた。相同染色体は1対ずつで、染色体レベルでは2倍体である。 2. Williams82のゲノム塩基配列から同祖領域を探索したところ、領域の大きさは最大約12.4MBにわたっていることがわかった。同祖領域の分布は極めて複雑でダイズゲノムは複数の倍加と再編成を経て形成されたと考えられる 3. ミヤコグサの花の対称性に関わる遺伝子cyc3のオーソログGmcyc3aを含むBACクローンとGmcyc3aの同祖遺伝子Gmcyc3bを含むBACクローンを異なる蛍光色素でラベルしてパキテン期染色体に同時に貼り付けるとそれぞれ同じ領域にシグナルが観察され、一方のシグナルが強いところは他方のシグナルが弱く見かけ上2つのシグナルがはっきりと認められた。同じことが、同祖遺伝子NFR1a、NFR1bなどでも観察された。また開花期関連遺伝子FT3を含むダイズのTACクローンと相同なミヤコグサのTACクローンは同じ位置にシグナルが見られ強弱が逆転していた。一般にミヤコグサのTACクローンはダイズのBACクローンに比較してシグナルが弱かった。 4. ダイズのゲノムはマメ科植物の中で、極めて特異的であることがわかった。マクロシンテニー、マイクロシンテニーの解析から、倍加と再編成の結果、現在のゲノム構造が生じたと考えられる。ホモロジーの極めて高い同祖遺伝子は、一般に2つ存在していてそれは最も新しい時期の倍加による結果だと考えられる。それらの遺伝子間では機能の分業が生じていて、ダイズは遺伝子レベルでも2倍体としてのシステムを獲得していると言える。
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Research Products
(2 results)