2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌遺伝子関連ゲノム情報を活用した先天奇形症候群原因遺伝子の同定
Project/Area Number |
20018001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松原 洋一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00209602)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 洋子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80332500)
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Keywords | 遺伝子診断 / RAS / シグナル伝達 / 発癌 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
申請者らは2005年にHRASの生殖細胞系列での変異を先天奇形症候群であるCostello症候群で同定した(Aoki et. al., Nature Genetics, 2005)。また2006年にcarcio-facio-cutaneous(CFC)症候群の原因がKRAS,BRAFの遺伝子変異が原因であることを報告した(Niihori, Aoki et.al. Nature Genetics, 2006)。申請者らの発見がブレークスルーとなり、RAS/MAPKに異常を持つ先天異常症という新しい疾患概念が確立した。本研究の目的は、これまで体細胞変異が数多く検出されている癌遺伝子およびそのシグナル伝達経路関連遺伝子を候補遺伝子として、未解明の先天奇形症候群の病因遺伝子を同定するための戦略について検討と実証をおこなうことにある。またHRAS遺伝子陽性のCostello症候群患者における遺伝学的背景を検索することにより、癌を発症しやすい遺伝的な背景を明らかにする。 これまでにNoonan類縁疾患250人を収集し既知の原因遺伝子PTPN11, HRAS, KRAS, BRAF, MEK1, MEK2の包括的遺伝子解析を行ってきた。PTPN11, HRAS, KRAS, BRAF, MEKI, MEK2陰性のNoonan症候群22家系とCFC症候群30人に対してSOS1遺伝子解析を行ったところ、3世代の家系を含むヌーナン症候群2家系とCFC症候群3人に遺伝子変異を同定し、SOS1変異がNoonan症候群からCFC症候群への広い臨床スペクトラムを持つことを報告した。現在は引き続き新規原因遺伝子であるRAF-1の遺伝子変異を解析中である。またこれまでにNoonam類縁疾患250人を収集し既知の原因遺伝子の包括的遺伝子解析を行ってきたが、既知の遺伝子変異陰性の48人に対して網羅的に候補遺伝子検索を継続している。
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