2008 Fiscal Year Annual Research Report
家族性および孤発性IgA腎症の疾患感受性遺伝子の同定と診療への応用
Project/Area Number |
20018009
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
成田 一衛 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (20272817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂爪 実 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70334662)
後藤 眞 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (00463969)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 腎不全 / IgA腎症 / SNP / 遺伝子多型 / 家族性 / ゲノム |
Research Abstract |
最も多い原発性糸球体腎炎で末期腎不全の主要な原疾患でもあるIgA腎症は、疾患感受性遺伝子の存在が想定され、欧米の多施設共同研究により複数の連鎖領域が報告されているが、責任遺伝子の特定には至っていない。本研究の目的は、第一に家族性IgA腎症の疾患感受性遺伝子を同定し、それが孤発性IgA腎症患者においても疾患感受性および進行に関与する遺伝子として作用しているかどうかを検証することである。第二に同定された疾患感受性遺伝子を利用して腎臓病診療に応用することである。 約1年間で、腎生険で診断されたIgA腎症患者が複数確認される家系など、家族性IgA腎症が強く疑われる27家系(罹患者58、非罹患者49名)のゲノムDNAを収集した。これらの家系図から、本症は低浸透率の常染色体優性遺伝性疾患であることが明らかである。 一方、HAAレクチンを利用したELISA系を確立し、IgA1ヒンジ部の糖鎖不全を評価した。健常コントロール(尿所見正常)に比して、家族性IgA腎症家系のメンバーは明らかに糖鎖不全IgAの増加をみとめた。しかし、罹患者と家系内の非罹患者に差はなかった。したがって、糖鎖不全は少なくとも部分的に遺伝的に規定されているが、発症には他の要素が必要である可能性が示唆される。 今後、家系のさらなる集積とGeneChipを用いたゲノムワイド関連解析、連鎖解析を行う。 IgA腎症モデルマウスにおいて早期発症にかかわる遺伝子群のうち、Toll like receptor 9遺伝子のSNPがヒトIgA腎症の重症度に関連することを報告した。
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Research Products
(5 results)