2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を統合したコホート研究における情報管理システムの構築
Project/Area Number |
20018012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
関根 章博 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (30425631)
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Keywords | コホート / ゲノム / 疫学 / 情報管理 |
Research Abstract |
健常者対象のゲノム・疫学コホートは、既に同定された複数の疾患関連遺伝子群トータルの遺伝リスクの高さ(易罹患性)を前向きに証明し、発症に関わる生活習慣・環境要因の種類と程度を知る有効な手段となるため、GWAS(Genome-Wide Association Study)では成しえなかった多因子性疾患の早期診断・早期予防・早期治療の実現には不可欠なアプローチとなる。その成果は患者さんのQOLを向上させ、医療費の削減に寄与することが期待されるが、反面、長期間に渡る参加者の健康状態、生活習慣、環境暴露情報を、漏れなく、詳細に取得・追跡し、ゲノム情報と連結させ、これを参加者保護最優先の下実施していく必要がある。そこで、京都大学医学研究科と長浜市民・行政の協力下で実施されている長浜0次予防コホート事業(健常者1万人対象の複数の疾患 : 閉塞性肺疾患・喘息・アレルギー性呼吸器疾患、慢性関節リウマチ、変形性関節症、糖尿病、高血圧、心・脳血管疾患、各種消化器がん、排尿困難、前立腺疾患、眼科疾患、口腔外科疾患を標的としたゲノム・疫学コホート)をフィールドとしてシステム構築を開始した。初年度(2008年)は、(1)参加者保護(二重匿名化・連結)の仕組み、(2)正確かつ欠落の少ない情報取得の健診システム(健診、受診結果授受 : 欠損値の理由を含めて100%、検体管理、生活習慣・環境暴露調査システム : 99.7%回答率)構築し、1125名の健康情報・生活習慣・環境情報を取得し、(3)データベース化するとともに、検体管理した。また、(4)GWASで同定された候補遺伝子座のタイピングを開始した。本年度は、健診および候補遺伝子座タイピングを継続、多型情報と健診結果を用いた解析システムの構築し、追跡の仕組みを確立する。
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