2008 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌ゲノム情報にもとづく有用二次代謝産物生合成系の検索とその発現・生産系の開発
Project/Area Number |
20018024
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤井 勲 Iwate Medical University, 薬学部, 教授 (70181302)
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Keywords | 糸状菌ゲノム / 二次代謝産物 / ポリケタイド |
Research Abstract |
糸状菌Aspergillus oryzae RIB40株のゲノム上にシクロピアゾン酸(CPA)の生合成に関わっていたと推定された不完全長PKS/NRPS遺伝子を見出したが、RIB40株はCPAを生産しない。そこで、A. oryzaeのCPA生産株NBRC4177と比較したところ、生産株では完全長のPKS/NRPSをコードすること、また、この遺伝子を破壊するとCPA生産能が失われることから、このcpaA遺伝子がCPA生合成に関与することを確認した。また、CPA生産菌Aspergillus flavusのゲノムから対応するcpaA遺伝子をA. oryzaeで誘導発現させ、CPA生合成前駆体であるシクロアセトアセチルトリプトファン(cAATrp)の生産を確認した。さらに、cAATrpにプレニル側鎖を導入するプレニル転移酵素をコードすると予想したA. flaVUSのCPAB遺伝子をcpaAとA. oryzaeで共発現させたところ、β-CPAと推定される化合物の生産を認め、単離後、これを機器分析により同定した。ゲノムデータベースが公開されているAspergillus fumigatusやAspergillus terreusなどからも、ポリケタイド関連生合成遺伝子クラスターの検索と機能解析を進めている。また、糸状菌の生合成遺伝子クラスターについて、酵母を宿主とした再構成系の確立を試み、A. fumigatusのDHN-メラニンの生合成系に関わるPKS遺伝子albl以下を酵母で共発現させることにより、1, 8-ジヒドロキシナフタレン生産までの再構成系を構築することに成功した.
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Research Products
(14 results)