2008 Fiscal Year Annual Research Report
エピソード記憶形成に関する海馬の数理モデルと実験的検証
Project/Area Number |
20019001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 一郎 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
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Keywords | 脳・神経 / 複雑系科学 / 非線形科学 / カオス力学系 |
Research Abstract |
エピソード記憶の形成過程に関する計算論的モデルの構築、および実証実験の確立をめざした。海馬CA1における時系列情報のコーディングとデコーディングに関する数理モデルを構築した。またそれを玉川大学塚田グループと協力して実験的に検証した。当初計画では、NMDAチャネルなどの効果による学習機能によって、これらの情報の動態の変化を明らかにすることも計画に入れていたが、本年度中にはこの計画は実行できなかった。学習実験は来年度に持ち越しとなった。 現在の実験ではシャーファー側枝の束の十分に離れた2ヶ所を刺激し単一電極を用いてパッチクランプ法にようてCA1ニューロンの膜電位を測定しているので、測定は一次元である。このような測定をスカラー測定と呼ぶ。これは我々が構築した2-コンパートメントモデルによる数理モデルの表現とは異なっている。数理モデルではCA1ネットワークの状態を各時点での状態としているので観測量は多次元であるようなベクトル測定を仮定している。このギャップを埋めるには実験においてベクトル測定を行うのが最良の方法であることは言うまでもないが、我々のグループの現在の技術では難しい。そこで、現在のスカラー測定から仮想的にベクトル測定を構成し、表現の再構成を行うことでこのギャップを埋めた。ニューロエルゴード性を仮定し、スカラー測定の実験結果である一次元時系列から複数の断片を抜き出すことでそれらを多点でのベクトル測定と同一視した。その結果、スカラー測定のデータよりはより明確なカントルコーディングとカントル集合を生み出す縮小アフィン写像が得られた。
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Research Products
(16 results)