2009 Fiscal Year Annual Research Report
サッケード発現・抑制に関るサル上丘吻尾方向の機能分化と前頭眼野抑制野との神経回路
Project/Area Number |
20019018
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊澤 佳子 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40372453)
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Keywords | 前頭眼野 / 上丘 / サッケード / 注視 / オムニポーズニューロン |
Research Abstract |
動物が正確な眼球運動を行うためには、眼球運動のパラメータの計算を正確に行うmetrics制御系と、眼球運動発現のon-offを行うトリガ制御系が必須の役割を果たす。この両制御系の信号は独立したものと考えられているが、両者は互いに協調して最終的に外眼筋運動細胞に作用する必要がある。本研究は、サルの前頭眼野抑制野とサッケード野のそれぞれが、上丘の吻側部及び尾側部にどのような影響を及ぼすか、その神経制御様式を調べることによって、上丘吻側部の固視領域と尾側部のサッケード領域が機能的に独立して存在するのか否かを決定し、それによってサッケードの発現と抑制(注視)の制御機構の神経回路を明らかにしようとするものである。 平成21年度は、前頭眼野の抑制野において単一神経活動記録を行い、注視中に強い持続発火を示す注視ニューロンの発火様式を解析した。特に、注視ニューロンの発火と視覚運動性ニューロンおよび運動性ニューロンの発火との時間関係を同一のサルにおいて比較検討した結果、サッケード開始に伴う注視ニューロンの活動の減少は、視覚運動性ニューロンおよび運動性ニューロンの活動の増加とほぼ同時あるいは先行して起こることがわかった(Izawa et al.,2009)。従って、前頭眼野の注視ニューロンの活動の減少による脱抑制と視覚運動性ニューロンおよび運動性ニューロンの活動の増加による興奮の両者が、最終的に脳幹バーストジェネレータのレベルで起こりサッケードの開始につながると考えられる。
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Research Products
(9 results)