2008 Fiscal Year Annual Research Report
成熟個体脳における経験依存的神経可塑性現象の機構解明
Project/Area Number |
20019024
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
駒井 章治 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (50420469)
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Keywords | 神経可塑性 / 樹状突起 / インビボ / 体性感覚 / 大脳皮質 / 2光子レーザー走査顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では経験依存的神経可塑性が個体脳内においてどのように具現化され、成熟した神経回路網を構成しうるのかについて多角的に検討することを目的としている。このために、皮質錐体細胞において逆伝搬活動電位の責任分子と考えられている、樹状突起に存在する電位依存性ナトリウムチャネルの発現を抑制するためのレンチウイルスベクターを作成し、現在その抑制効果について確認中である。ウイルスそのものは2008年になって完成させることができたために、現在は分散培養およびスライスを用いた電気生理学的手法により、活動電位の抑制を観察している。これと合わせて生化学的にチャネルタンパク質の産生がどれほど抑制されているかについて、ウェスタンブロッティング法により定量を試みている。また、一方でGFPタンパク質を発現させるレンチウイルスベクターも作成しており、同ウイルスベクターがin vivoにおいて神経細胞に感染し、マーカーであるGFPタンパク質を発現しうることも個体脳への投与実験により確認している。更に同被投与動物を2光子レーザー走査顕微鏡下において観察したところ、良好な蛍光像を観察することができた。そこで本年度は成体のスライスおよび個体脳において、神経可塑性現象に逆伝搬活動電位がどのような役割を果たしているのかについて検討を行いたいと考えている。
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