2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20019031
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
重本 隆一 National Institute for Physiological Sciences, 大脳皮質機能研究系, 教授 (20221294)
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Keywords | シナプス / 可塑性 / グルタミン酸受容体 / ビオチン / マッピング |
Research Abstract |
神経細胞は環境変化に反応し・適応するため、シナプス可塑性を持っている。本研究では、シナプス可塑性を可視化するために生体膜上分子の局在をナノスケールで可視化し、脳の統合機能の局在を明らかにすることを目的とする。本年度は膜タンパク分子の新しい可視化技術解析として、従来の凍結割断レプリカ免疫標識法に、新規ナノ粒子標識法を組み合わせ、高空間分解能をもった多重標識法の確立をめざした。 極小(1.4nm)金粒子マーカーを直接可視化し、従来のレプリカ標識法に比べて高い標識効率を得られる可能性を示した : ラット・マウスの小脳および海馬を用いて凍結割断レプリカ試料を作製し、グルタミン酸受容体に対する標識を行った。これまでに、5nm^-、10nm^-、15nm^-の金粒子で標識した二次抗体を用いたレプリカ標識法が確立されているが、今回、新規の試みとして、1.4nm金粒子標識抗体を利用し、より高い標識効率と空間解像度を得ることを目指した。通常の透過型電子顕微鏡観察では1.4nm金粒子は観察できないが、STEM暗視野観察法によって粒子を直接可視化することに成功した。さらに、グルタミン酸受容体δ2サブユニットに対する標識において、5nm金粒子標識に比べて約3倍の標識効率を得られることが示された。今後、受容体内における複数のサブユニットを区別して標識するといった応用法が可能になると考える。
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