2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20019037
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
松元 健二 Tamagawa University, 脳科学研究所, 准教授 (50300900)
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Keywords | 動機づけ / 磁気共鳴画像撮影 |
Research Abstract |
ヒトの達成動機は、質的に異なる2種類の目標(習得目標と遂行目標)によって支えられている習得目標とは、自分の能力を高めるという目標のことであり、その達成状況は自分自身で評価する。一方、遂行目標とは、自分の能力の高さを他者に示すという目標のことであり、その達成状況は他者によって評価される。どちらの目標に動機づけられているかによって、ヒトのとる行動は大きく異なってくる。しかし、これら二種類の目標によって行動が動機づけられる脳内機構はまったく明らかでない。本研究の目的は、習得目標と遂行目標がそれぞれ脳内のどこで表現され、ヒトの動機づけにどのように異なった関わり方をしているのかを明らかにすることである。 ヒトが達成目標によって動機づけられる課題としてストップウォッチ課題考案した。この課題は、ストップウォッチをできるだけ正確に5±0.05秒で止める、というだけの単純な課題でありながら、外的な報酬が与えられなくても、ついつい繰り返し遊んでしまう、多くのヒトが強く動機づけられる課題である。この課題を用いた行動実験を行い、予備的な結果を得た。ストップウォッチ課題の成績には二群間で大きな違いが見られなかったが、実験終了後の一定の待ち時間に、ストップウォッチ課題を自由におこなうことができるようにしておいたところ、習得目標群よりも遂行目標群の方が、より多くストップウォッチ課題に取り組む傾向が見られた。このことは、ストップウォッチ課題を用いることで、達成目標による動機づけの違いを引き起こすことができることを示唆する。
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Research Products
(4 results)