2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝学的に神経細胞の活動を改変させることによる、神経回路機能の解析
Project/Area Number |
20019043
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
東島 眞一 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (80270479)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 神経分化 / 神経活動 / トランスジェニック / 神経回路 |
Research Abstract |
本研究課題では、ゼブラフィッシュの系を用いて、特定のクラスの神経細胞を不活化させることにより脊髄神経回路機能を解析することを目的としている。発現誘導系Creを用いて、Cre発現細胞で破傷風毒素を発現させるシステムを構築した。これを用いて、nkx2.2領域から由来する神経細胞群の役割を調べた。その結果、nkx2.2から由来するグルタミン酸作動性ニューロンを不活化すると、幼魚の行動性が著しく現象する、という表現型を得た。電気生理学的な解析では、nkx2.2から由来するグルタミン酸作動性ニューロンは、運動時に脊髄全般の興奮性を高めることに関与することを示唆するデーターを得ており、得られた表現型と合致する。 しかしながら、上記の解析では、脳に存在するnkx2.2陽性細胞の影響を排除できない。より特異性の高い発現誘導システムの構築を目指し、Creを2つにスプリットさせる系の構築を同時平行で進めた。これが完成されれば、2つのプロモーターの活性が重なる細胞群でターゲット遺伝子を発現させることが可能となる。まず、培養細胞でポジティブな結果を与えるコンストラクトを作成することに成功した。ついで、トランスジェニックゼブラフィッシュにおいて、片側のCreを脊髄でのみ、もう片側のCreをdbx1プロモーターでのみ発現させた。その結果、Creの相同組み換えによって誘導されるレポーター遺伝子の発現を、脊髄のdbx1発現細胞に限局させることに成功した。すなわち、スプリットCreシステムの確立に成功した。今後、このシステムを用いて、脊髄nkx2.2陽性細胞から生じるグルタミン酸作動性ニューロンの機能を詳しく解析していく。
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Research Products
(3 results)