2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20020015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船橋 新太郎 Kyoto University, こころの未来研究センター, 教授 (00145830)
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Keywords | メタ記憶 / メタ認知 / 前頭連合野 / ワーキングメモリ / 記憶想起 / モニタリング / 遅延反応課題 / 記憶誘導性眼球運動 |
Research Abstract |
メタ記憶は, 自己の内部で進行している記憶過程のモニタリングや制御を担う認知機能を指す。メタ記憶に関わる前頭連合野神経機構を明らかにするための第一段階として, 眼球運動を利用したワーキングメモリ課題を改変し、サルのメタ記憶能力の検討を可能にする新しい課題を考案し, この課題の遂行に際してサルがメタ記憶を使用しているかどうかを検討した。この課題では, サルが手がかり刺激呈示位置を遅延期間中記憶し, 反応期にその方向へ眼球運動を行えば報酬を与えた。ただし, 遅延期間の終了後, 一部の試行では記憶テストを受ける回避するかをサルに選択させ, 別の試行では強制的に記憶テストを受けさせた。テストに正解した場合には報酬を与え, 不正解の場合には20秒のタイムアウトを与えた。テストを回避した場合には視覚誘導性眼球運動を行わせ, 40%の確率で報酬を与えた。遅延期間に呈示する妨害刺激の数を変えることで課題の難度を変更した。自身の記憶のモニタリングによりテストを受けるか否かの判断をサルが行っていたことを判定するため, (1)自発的にテストを受けた時の成績が強制テストの成績よりも優れているか, (2)試行難度の上昇に伴いテスト回避率が増加するかの2点に着目した。その結果, 1頭のサルがこれら2つの基準に合致する行動傾向を示し、メタ記憶を利用して課題を遂行していることが確認された。そこで, このサルを用いて前頭連合野主溝周辺領域から単一ニューロン活動記録を行い, メタ記憶に関わる神経機構の解明を試みる。
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Research Products
(5 results)