2008 Fiscal Year Annual Research Report
下側頭葉皮質における物体特徴の表現及び観察角度に依存しない物体認識への関わり
Project/Area Number |
20020021
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
王 鋼 Kagoshima University, 工学部, 教授 (40274831)
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Keywords | 下側頭葉皮質 / 物体認識 / 観察角度 |
Research Abstract |
我々は観察角度が変化している場合でも, 学習するとその物体をよく似た別の物体から弁別することが出来る. 観察角度に依存しない物体認識について調べた我々の先行研究において, 観察角度の間隔が小さい場合, 個々の観察角度の画像を弁別することで, 同じ物体の観察角度をまたいだ連合が形成されることを示した. そこで本研究では離れた観察角度の画像間の連合のメカニズムを調べるために, 大きく離れた観察角度の画像の連合学習に対して, 観察角度をまたいだ連合学習をせずに, その間にある観察角度画像を事前に経験するだけでどのような効果をもたらすかを調査した. その結果, 大きく離れた観察角度の画像の連合学習はその間にある観察角度の画像をあらかじめ経験することによって促進されることがわかった. 弁別能力に与える影響の比較は, 事前経験を離れた観察角度画像とその間に内挿される観察角度の画像を同時にした場合と, 離れた観察角度画像のみでした場合で行った. 離れた観察角度画像の連合学習の速度は, 事前経験を離れた観察角度画像のみでした場合よりも, 離れた観察角度画像とその間に内挿される観察角度の画像を同時にした場合のほうが速かった. さらに, 反応時間が観察角度の差に依存することより, これが単純連合学習によるものではないことを示した. 本研究の結果は, 観察角度に依存しない物体認識のメカニズムは, 学習する際に用いる画像の観察角度の差に依存することを示唆している.
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Research Products
(3 results)