2009 Fiscal Year Annual Research Report
生成文法理論に言語の社会性をリンクさせた第二言語獲得研究
Project/Area Number |
20020022
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
遊佐 典昭 Miyagi Gakuin Women's University, 学芸学部, 教授 (40182670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10275597)
金 情浩 東北大学, 文学研究科, 助教 (70513852)
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Keywords | 日本手話 / 生成文法 / 社会性 / 脳機能イメージング / 普遍文法 / fMRI / 教授効果 |
Research Abstract |
母語が「育つ」ためには他者との係わり(社会性)が必要である。他の認知機能である視覚もその成長には、外的な刺激が必要であるが、必ずしも「他者との相互作用」を必要としない。しかし、子供にテレビやCDからの音声刺激を与えただけでは、子供は母語獲得に成功せずに、「他者からの働きかけによる刺激」を通して初めて言語が獲得に成功する(Baker 2001、福井2005)。これは、「言語は社会の産物」であることを示している。しかし、第二言語学習における社会性に関しては、幼児の外国語獲得の研究は存在するが(Kuhl et al. 2003)、9ヶ月の幼児の音声習得を扱ったものにすぎない。本年度は、大人の聴者が、(人間言語である)日本手話を教室で学ぶ際の社会性の役割について実験を行った。被験者は、聾者である教員と相互作用を通して日本手話を学習している実験群と、その学習を撮影したDVDで日本手話を学習した実験群である。従って、両グループの相違は、教員と直接かかわるか否かの「社会性」の有無だけである。学習の段階で2回のfMRIによる撮像を行った。詳しいデータは解析中であるが、ブローカ野の機能変化に両グループの相違が見いだせる実験項目が判明した。このことは、母語のみならず、第二言語獲得においても社会性が役割を果たしている可能性を示唆している(Human Brain Mapping 2010で成果発表予定)。
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[Journal Article] Distinct Roles of Left Inferior Frontal Regions that Explain Individual Differences in Second Language Acquisition2009
Author(s)
Sakai,K.L., Nauchi,A., Tatsuno,Y., Hirano,K., Muraishi,Y., Kimura,M., Bostwick,M., Yusa,N
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Journal Title
Human Brain Mapping 30
Pages: 2440-2452
Peer Reviewed
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