2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20021021
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 瞬 Kobe University, 医学研究科, 准教授 (70304087)
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Keywords | 神経回路 / 蛍光蛋白質 / トランスジェニックマウス / 可視化 |
Research Abstract |
様々な脳機能が働くためには、特定の神経回路における遺伝子発現の調節が重要である。Arc遺伝子は、記憶・学習や感覚情報処理など様々な脳機能に伴って誘導される。Arc遺伝子の発現を蛍光蛋白質でモニタリングできるトランスジェニックマウスを用いて、種々の脳機能により特異的に活性化される神経回路を同定することを目指した。 視覚に関する神経回路を明らかにするため、このマウスを暗室に馴らした後、明るい部屋に移して光刺激を行った.in vivoで蛍光のモニタリングを行うと、光刺激の後、大脳皮質視覚野のみならず帯状皮質においても蛍光が増強する様子が観察された。光刺激によって帯状皮質でArcの誘導が生じることはこれまで報告されていなかったが、この知見を基に野生型マウスを用いて解析を行うと、確かに内在性のArc mRNAも誘導されていることが示された。これらの結果から、帯状皮質は視覚情報の処理において、重要な神経回路の一部をなすことを明らかにした。 記憶・学習に関する神経回路を明らかにするため、トランスジェニックマウスに海馬依存的な空間作業記憶の課題を行わせた。脳切片を作成して解析すると、課題施行前と比べて施行後には、海馬歯状回で蛍光を発する顆粒細胞が有意に増加していた。一匹のマウスの海馬の蛍光をin vivoでモニタリングすることができれば、記憶課題によってどのようなタイミングでどのような部位に存在する神経細胞が活性化されるのか、詳細な解析を行うことができる。そのための手法としてトランスジェニックマウスの脳内に反射プリズムを挿入し脳深部の蛍光撮影を行う手法を開発した。
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Research Products
(4 results)