2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス大脳の神経回路形成におけるDraxinの役割
Project/Area Number |
20021024
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田中 英明 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 教授 (90106906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新明 洋平 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 助教 (00418831)
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Keywords | 神経 / ガイダンス / 遺伝子欠損マウス / 上丘 / 視蓋 / 網膜神経節細胞 / 網膜-視蓋投射 |
Research Abstract |
脳は、多様な神経細胞集団が極めて複雑なネットワークを形成して機能しているが、発生過程では個々の神経細胞やグリア細胞が細胞間相互作用を積み重ねることにより形成される。我々は既知のガイダンス分子とは全くホモロジーの無い抑制性の神経ガイダンス分子を見出し、Draxin (Dorsal repulsive axon guidance protein)と命名した。Draxinは分子量約5万の分泌型タンパクである。 網膜神経節軸索は視蓋に整然とした2次元の面と面が対応するように規則正しく軸索を投射する。この投射には、視蓋に濃度勾配を持って発現する軸索ガイダンス分子が機能し、これまでにephrinとEph、WntとRykなどが働いていることが詳細に解析されてきた。ニワトリ初期胚と新生児マウスの視蓋において、Draxinの発現は背側に強く腹側に弱い勾配を持っており、視蓋に侵入してくる視神経の投射に関与する可能性が考えられた。 生後7-10日目のDraxin遺伝子欠損マウスの網膜をDiIによって標識し、その投射パターンを解析したところ、網膜腹側、耳側、鼻側からの上丘への投射において、正常な投射に加えて異常投射のフォーカスが観察された。しかし、網膜背側からの投射は、正常であった。さらにDraxinタンパクは培養網膜組織片からの神経突起形成を阻害するが、領域による感受性の差異は観察されず、Draxinタンパクの網膜組織切片への結合にも領域差は観られなかった。詳細に解析されてきた網膜-視蓋(上丘)投射形成において、新たにDraxinも関与することを明らかにした。さらに、マウスの網膜神経節細胞の神経突起形成にはWntは機能していないことを見出した。
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Research Products
(10 results)