2009 Fiscal Year Annual Research Report
前駆体BDNFによる神経回路の形成と機能に対する負の制御とその生理的役割
Project/Area Number |
20021035
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小島 正己 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, セルエンジニアリング研究部門, 研究グループ長 (40344171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清末 和之 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 主任研究員 (50356903)
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Keywords | 脳神経 / 蛋白質 / 細胞・組織 / 遺伝子 / 神経 |
Research Abstract |
平成21年度前駆体BDNFによる神経回路形成と機能に対する負の制御とその生理作用 BDNFの一塩基多型SNPの脳機能への影響を知るため、研究代表者らは、そのノックインマウスを作製して解析を進めている。蛋白質のdisordered structureを予測するPONDERを用いてSNPによるアミノ酸置換の影響を解析した。その結果、前駆体BDNF(proBDNF)から成熟型BDNF(mBDNF)へのプロセッシング部位に近い変異を見出した。この変異をもつヒトBDNF遺伝子のノックインマウスを作製し、さらには、その変異型BDNF組換え蛋白質を調整した。ノックインマウスの海馬および大脳皮質のBDNFを解析した結果、proBDNF→mBDNFの反応が著しく阻害されていた。つまり、このマウスはmBDNFに比べてproBDNFが過剰となったモデルマウス(BDNFpro/pro)であった。proBDNF→mBDNF反応が非効率となったCR-BDNF(cleavage resistant-BDNF)の作用を培養神経細胞下で検討した。mBDNFには小脳穎粒神経細胞に対する生存維持作用、前脳基底野コリナージック神経細胞に対する樹状突起伸展作用、海馬興奮性神経細胞のスパイン密度の増加が見出され、過報に一致した。しかし、CR-proBDNFを同様に添加したとき、上記の神経細胞に対する作用はmBDNFに相反しており、海馬神経細胞のスパイン密度の低下、スパイン退縮が定量的に見出された。以上の結果は、proBDNF→mBDNF反応の神経回路形成における役割、proBDNFとmBDNFの相反的関係を示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Multiple functions of precursor BDNF to CNS neurons : negative regulation of neurite growth, spine formation and cell survival2009
Author(s)
Koshimizu, H., Kiyosue, K., Hara, T., Hazama, S., Suzuki, S., Uegaki, K., Nagappan, G., Zaitsev, E., Hirokawa, T., Tatsu, Y., Ogura, A., Lu, B., Kojima M
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Journal Title
Peer Reviewed
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