2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20022009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千原 崇裕 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (00431891)
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Keywords | 神経極性 / 樹状突起 / 軸索 / モザイク解析 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
神経細胞は、それぞれ軸索、及び樹状突起といった高度に極性化した構造を有している。よって、神経ネットワークの形成機構を理解するためには、軸索、及び樹状突起、双方の形態形成機構を解明する必要がある。 本研究では、これまで解析が困難であった樹状突起の形態形成機構の解明を目的に研究を行う。まず、樹状突起の形態を生体内で1細胞レベルの解像度で可視化・解析するために、ショウジョウバエの嗅覚系2次神経・Projection Neuron(以下PNと省略)をモデル系とし、遺伝学的モザイク法を用いてスクリーニングを行った。平成20年度は、このスクリーニングによって得られた樹状突起投射変異体、特にdogi(doubled glomeruli)変異体の原因遺伝子の機能解析を行った。 PNをdogi変異ホモ接合体にすると、PN樹状突起、及び軸索に特徴的な投射異常があらわれる。遺伝学的マッピングの結果、dogi変異体の原因遺伝子は、進化的に保存された新規遺伝子(dogi遺伝子)であることが明らかとなっている。Dogi蛋白質による樹状突起・軸索制御の分子機構を解明する目的で、Dogi蛋白質と結合する蛋白質のスクリーニングをYeast two hybrid法を用いて行った。その結果、細胞骨格制御因子、エンドサイトーシス制御因子、細胞内輸送蛋白質、転写因子などを含む7つの蛋白質が候補結合因子として回収された。現在、この7つの候補結合因子とDogi蛋白質との物理的結合を免疫共沈降法などの生化学的手法を用いて再検討している。更に、各結合候補因子の変異体を用いて、Dogi変異体との遺伝学的相互作用を解析している。
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