2008 Fiscal Year Annual Research Report
K-Ras制御因子SCOPを中心にみた記憶形成のサーカディアン制御機構
Project/Area Number |
20022012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 貴美子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (50451828)
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Keywords | レンチウイルス / 長期記憶 / 概日リズム / SCOP / 海馬 |
Research Abstract |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 1. レンチウイルスの投与により海馬特異的SCOPノックダウンを実現した。ノックダウンは海馬の中でも記憶に関与することがわかっているCA1において強く効果が見られた。 2. 正常マウスにおいて長期記憶効率が良い時刻に、海馬依存的SCOPノックダウウンマウスの長期記憶を測定すると、記憶形成効率は顕著に減少した。 3. 正常マウスの長期記憶形成効率は活動期に高い概日変動があるが、概日リズムを示さないCry1/Cry2ダブルノックアウトマウスを用いて長期記憶を測定したところ、長期記憶形成効率の概日変動は見られなくなる傾向が得られた。 4. 培養細胞中のSCOPをノックダウンすることにより、細胞の概日リズムの振幅が小さくなり、SCOPが概日リズムのアウトプットにおいて増幅効果を持つことを見出した。 5. SCOPのfloxマウスを作製した。今後は海馬特異的SCOPノックアウトマウスを作製し記憶形成および概日リズムにおけるSCOPの重要性をより詳細に示していく。 以上の研究成果より、概日リズムが記憶形成効率の概日変動を制御していることが示唆され、さらにSCOPが概日時計からのを記憶形成機構につなげる「鍵」である可能性が強まった。
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Research Products
(6 results)