2008 Fiscal Year Annual Research Report
成体マウス・小型魚類脳における新生神経細胞移動の分子機構
Project/Area Number |
20022035
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
澤本 和延 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90282350)
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Keywords | 再生医学 / 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 発生・分化 |
Research Abstract |
(1)BrdU標識法によりゼブラフィッシュ成魚終脳の脳室壁付近で新生細胞が存在し、嗅球への移動を示唆する結果を得た。さらに、マウスを用いて確立したマーカーの抗体染色および電子顕微鏡観察により成魚の脳室下帯を構成する細胞構造を解析した。脳室壁は繊毛を有する放射状グリア細胞により構成され、その近傍に移動中のニューロンの存在が存在することを明らかにした。さらに、成魚脳に外傷を与えたところ、外傷部位付近の血管配置の再編成および移動中のニューロンの存在を認めた。本結果は、ほ乳類成体脳で観察されている現象と類似するものである。 (2)血管と新生ニューロンを生きたまま標識するための材料の作成を行った。neurogeninl遺伝子のプロモーター下でGFPを発現するトランスジェニックフィッシュの成魚脳では、脳室壁付近から嗅球にかけてGFPの発現を認めた。現在、本トランスジェニックフィッシュと血管でRFPを発現するトランスジェニックフィッシュを交配し、2カラートランスジェニックフィッシュを作成中である。 (3)成体脳での神経細胞の新生・移動に関与する分子を同定するために、遺伝子トラップトランスポゾンベクター(プロモーターを持たないGFP遺伝子が組み込まれている)を用いて作成されたトランスジェニックフィッシュコレクション(700系統)の中から、脳室付近の神経細胞でGFPを発現している系統を10ライン、血管でGFPを発現している系統を3ライン選抜した。現在、その詳細を解析中である。
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Research Products
(6 results)