2008 Fiscal Year Annual Research Report
タウのコンフォメーション変化のタウオパチーにおける意義と抑制法開発
Project/Area Number |
20023002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森島 真帆 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 特任准教授 (50204722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 展敬 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 特任助教 (60327707)
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Keywords | タウ / タウオパチー / コンフォメーション / PFCアッセイ / 神経変性 / リン酸化 |
Research Abstract |
神経原線維変化の主要構成成分であるタウは通常ランダム構造をとるが、神経原線維変化の形成過程では、コンフォメーション変化を生じてある特定の構造をとると考えられている。本研究では、protein-fragment complementation(PFC)アッセイ法を利用し細胞内でのタウのコンフォメーション変化およびダイマー形成を検出できる系を構築して、それらと神経原線維変化形成および神経細胞変性との関係を調べることにより、タウのコンフォメーション変化の病因病理学的意義の解明を試みた。 タウとGFP分割断片(N-GFP、C-GFP)をいろいろな組み合わせで連結させたコンストラクトを作製して培養細胞に発現させ、タウ分子内あるいは分子間相互作用によるGFP断片の再会合で生じる蛍光シグナルを解析した。その結果、タウは細胞内でフレキシブルな構造をとっており、N末端同志、C末端同志、あるいはN末端とC末端が相互作用し得ることが明らかになり、細胞内でペーパークリップ様コンフォメーション変化およびダイマー形成を生じる可能性が示唆された。タウはこれらの構造を、微小管上と細胞質内でフリーの状態の両方でとり得るが、GFP再会合を生じるのは発現したタウ分子の内のごく一部であることが分かった。また、再会合GFPの蛍光シグナルは微小管を安定化するタキソール処理により減弱し、オカダ酸処理によるリン酸化の亢進により増強されたことから、タウのコンフォメーション変化は微小管との結合状態により影響を受けると考えられる。さらに、PFCアッセイ法を用いることにより、FTDP-17変異の一つであるタウΔK280変異は、ペーパークリップ様コンフォメーション変化を生じた場合に細胞毒性を呈する可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)