2008 Fiscal Year Annual Research Report
14-3-3εを標的とした統合失調症と気分障害の分子病態解明
Project/Area Number |
20023014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 紀夫 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40281480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝淵 弘二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00169377)
田谷 真一郎 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362232)
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Keywords | 統合失調症 / ゲノム / 神経発達 / 発現 / RNA |
Research Abstract |
14-3-3ε遺伝子は統合失調症との関連がゲノム解析で確認され、14-3-3εヘテロノックアウトマウス(KO)の行動実験によると作業記憶障害と不安の増大が見られる。 以上を踏まえ、今回、14-3-3εのKOの脳においてどのような神経病理学的な変化が起きているかを明らかにするため、ドパミン系の合成酵素Tyrosine HydroxylaseとGABA系のマーカーであるCalbindin D28kの交替を用いて免疫組織学的検討を行った。 14-3-3εKOマウスと野生型マウスを、4%パラフォルムアルデヒドで灌流固定し、速やかに脳をとりだし、20μmの薄切切片を作成した。作成した切片を、抗Tyrosine Hydroxylase(TH)抗体、抗Calbindin D28(CaBp)抗体によって、ABC法を用いて免疫染色を行った。THに関してはドパミンの起始核(黒質、側坐核)と今回は統合失調症の関心領域である前頭葉および辺縁系、CaBpに関しては、前頭葉ならびに梨状皮質、扁桃体、視床下部、中隔核を含む辺縁系に着目し検討した。 TH : KOマウスでは、ドパミン起始核のおけるTH陽性細胞数の減少、樹状突起の減少、ドパミン投射経路である前頭葉皮質、辺縁系皮質で疎なネットワーク形成が見られた。 CaBp : KOマウスでは、前頭葉、辺縁系でCaBp陽性細胞数の減少、樹状突起の減少が見られた。 前頭葉のTH陽性繊維の疎なネットワーク形成は作業記憶障害との関連、扁桃体におけるTH, CaBpともに陽性構造物の減少は不安様行動との関連がする可能性がある。
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Research Products
(13 results)